『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』

 拝啓、お母ちゃん。元気ずらか?オラはもんげー元気ずら。オラの2015年を締めくくる映画鑑賞は、当然のようにっつうか、暗黙の了解っつうか、そう、お正月映画の週末興行成績では、2週連続でスターウォーズ最新作を抑えての観客動員1位、これを見なきゃ(故)水木しげる先生ファンとしての示しがつかねえってんで、もはや全国の妖怪好きのチビッコたちで賑わうばかりか、バカみたいに集まりすぎて将棋倒し死亡事故が起こりまくっている聖地メッカの大巡礼さながらのカオス!パニック!阿鼻叫喚!でお馴染み『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』を観たずらよ!

 昨年公開した劇場版第一弾は、今年の競合となることを知ってか知らずか、その内容がスターウォーズのパロディになっていたってことを、オラこれを書きながら今イキナリ思い出したずら! マスターヨーダをパロった「マスターニャーダ」なる老いぼれの化け猫が、ケイタ君に「フォースを授ける」なんつって渡した棒状のアイテム。それを見た観客の父ちゃん連中が全員例外なく(ありゃきっとライトセーバーにちげえねえ)なんて思ってワクワクしてたら、クライマックスで判明したその正体が「フォース」ならぬ単なる水道の「ホース」で、そのへんにあった水道の蛇口にとり付けて普通の水をぶっかけて敵を撃退するだけの用途だったというナメきった展開で、オトナたちを大いにバカにしていたのが懐かしいずら!
思えば、あの頃から思いっきりスターウォーズスターウォーズファンにケンカ売ってたなんて、さすが勢いのあるジャパニーズアニメーションは違うずら
劇場版第二弾となる今年の作風も、斬新というか大胆というか、良く言えば刺激的、悪く言えば悪ノリしすぎ。主人公の違う5つの短編で構成されたオムニバス形式で、最終話でそれぞれのキャラが合流してムリヤリすぎる本編の全貌が明らかになるという「ドラクエ?」仕様の都会的スタイルだったずら。

 主人公のケイタくんが、あっさりくたばって妖怪になってしまう話やコマさん兄弟にさらに弟ができてしまう話、イケメンのぬらりひょんが登場して大暴れする話などなど、ショッキングかつバカバカしい5本のエピソードは、そのそれぞれが完璧な出来ずら! 特に最終話で、ケイタくんとイナホという新旧主人公の2人がはじめて邂逅するシーンのアツさたるやもんげーずらよ。

とにかく、ぜんぶのエピソードがアツくて、バカで、そしてしっかりと感動させてくれるのがすごいずら。
オラなんかはもう最初のエピソードから最終話まで、全編通して泣きっぱなし。ハンカチとティッシュを持参していなかったので、こうなりゃ劇場でレンタルした寒さ対策のブランケットをオラの美しい涙で湿らせてやろうかなんて思ってたら、息子が無言でハンカチを差し出してくれたじゃありませんかずら! 息子からしたら(あーあ、父ちゃんのやつ、まだ1話目だってのにもう泣いてらあ)なんて呆れ気分でロックンロールだったはず。がしかし、その後第2話で語られた生前のジバニャンの飼い主エミちゃんのエピソードでは、ついに息子も涙腺が崩壊。親子でひとつのハンカチを分け合って涙を拭くという「一杯のかけそば」もびっくりの人情シークエンスを実演するハメになってしまったんずら! もんげー!
100点満点!