『ブレア・ウィッチ』

100点満点

1999年に公開し大ヒットしたホラー映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の続編は、2000年公開の『ブレア・ウィッチ2』である。

今回のは3作目。
なのに、宣伝文句では「正式な続編はこっち」などと、傑作である『ブレア・ウィッチ2』が無かったことにされている。

死ね。

評判の悪かったシリーズ作品を無かったことにするのが映画業界の常套手段みたいになっているが、そういうのやめろ。作品はもとより、金払って観に行った観客への冒涜だ。
無かったことにするなら、まず観客全員に返金しろ。それなら勝手に無かったことにしていいが、返金しないならシリーズ作品として責任を持てよカス。

てなわけで、今回のは3作目。
しかし、やってることはほとんど1作目のリメイクみたいな内容になっていて、つまり金をかけて同じようなことをしているのだ。

ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は、とある映像制作チームの若者たちが怖い映像撮りたさに「いわくつきの森」に入る。で、戻ってこない。捜索隊が森に落ちていたビデオカメラのみを発見したのでその映像です。という映画だったが、最新作である本作も、そのまんまである。

新たに行方不明になったドキュメンタリー撮影班。で、カメラ発見。映像データに残っていたのは、また例の森でキャンプをする若者が、例によって迷子になり、例によって一人づつ消え、例によって全員死ぬまでの記録でしたとさ。めでたし。めでたし。

変わったのは、犠牲者の数とカメラの数と超常現象の数と予算の数が大幅にアップしたところだけ。

ふむ。すべてが前例通りなのになぜこんなにも怖いのか?
それはもちろん、すべての事象が意味不明だからである。

もうね。マジで意味不明。混乱した人が怖い目にあってわーわー言いながら撮った映像なので、当然カメラにはほとんど何も映ってないし。
森と、バカ話と、仲間割れと、森と、泣き言と、森と、叫び声と、森。

映っているのはこれくらい。いや、森が映っているだけで怖いのなにこれ?
あと、ラストには、とんでもないモノが映るよね。そりゃあ出てくる。あれ。1作目のラストにも出てきた「あの場所」。

新作と言いつつ、やっていることも結末もすべて1作目と同じなので、意外性も無ければ謎も解明されない。つーか、もはや謎なんかひとつもねえ。
「森に入ったらいなくなる」これがすべて。なぜか? そういうキマリだから。説明おわり。

世界にはそういう「キマリごと」がある場所がいくつかあって、そこに答えを見つけようとしたらダメだよって映画なのだ。
人間の常識が通用しない場所に踏み込んだ絶望感。これこそがブレア・ウィッチの真骨頂。
観て、絶望のクリスマスを過ごせ!