『きっと、星のせいじゃない。』


末期ガンの少女と骨肉腫の少年のラブストーリーということで、「難病患者が必死に恋するお涙頂戴映画」みたいな誤解を招いてしまうのはしかたがないと思うが、はっきり言ってこの作品はものすごく明るくてポップだ。

主人公の少女は、幼い頃から死と隣り合わせの末期ガン患者で、肺が機能していないので常に酸素ボンベを身体に取り付けているほどの重症人。
当然のように、いつ病状が悪化して危険な状況になってもおかしくないのだが、落ち込んだり自暴自棄になったりといった様子は無く、前向きでユーモアもあってとにかく明るいのである。

つーかカワイイ。

で、そんな恋愛はもちろん、未来さえもほとんど諦めている少女の前に現れるのが、これまた骨肉腫で片足を切断したという少年。

この少年も、近日中に病気再発の恐れ有りなのだが、これまた同様にノーテンキで明るい。
というかすごくバカなのである。

そんな、「重病人」と言われなければ、一見して単なるバカ男子とオテンバ女子のカップルにしか見えない2人が、短い青春を精一杯謳歌するストーリーなのだが、とにかく展開がポップすぎて悲しむ余裕がない。

とても可哀想な境遇の2人なんだけど、「報われない」ような雰囲気が微塵もなくて、どっちかというとそのへんにいる健康な奴らよりも断然「幸せそう」だから困ってしまう。

号泣ポイントは皆無なのに爆笑ポイントがやたら多い。

「末期だから憐れんでくれ」みたいな押し付けが無いという点で、俺なんかはとても好感持てるし、
安易にお涙頂戴にしない清々しいラストも気持ちが良かった。

予告編などを見て「可哀想な映画」という印象をもった人もいるかもしれないけど、そんな心配はありません。
最高に楽しくて微笑ましい青春ラブストーリーです。

100点満点