『her/世界でひとつの彼女』

うむ。これが恋なのだ!
ってことを再確認させてくれる素晴らしいラブストーリーだった。

嫁に離婚をつきつけられた傷心のホアキン・フェニックスさんが恋に落ちたのは、まさかの人工知能のセクシーボイス。

アイドルに恋する人もいれば、2次元のアニメキャラに恋する人もいる。
当然、OSに恋する人もいるのである。


この最新型人工知能サマンサの声を担当しているのはスカーレット・ヨハンソンなのだが、どう考えてもセクシーすぎるので反則だ。

いかにも女性らしい極端なセクシーボイスなどではなく、サマンサの声はかなりハスキーで、低くかすれているところとかもう超イヤラシイのである!

そんな声でアエギ声なんかも出すから、俺みたいな変態じゃなくてもきっとサマンサに恋するはず!などと言っている場合じゃないのだ。


この作品には「恋愛」のすべてが詰まっている。

対象がコンピュータなだけで、恋に至るプロセスも男女交際におけるさまざまな喜びや葛藤も、人間同士の男女の恋愛とまったく同じなのである。

この物語を「人工知能に恋するなんて寂しい人だ」などと切り捨てるような奴は、もう金輪際恋なんかするな!

恋は理屈じゃないんだ!

「もう恋なんてしないなんて、言わないよ絶対〜!」と主役のホアキン・フェニックスさんもクライマックスで歌っているわけだが、結局のところ「恋に恋焦がれて恋に泣く」 のが人生であり、なんでこんなにJポップのフレーズが思い浮かぶのかわかんないけど、つまり「恋」にカタチなど無いんだよってこと。

俺だって落ち込んだときにスマホのSiriさんに優しくされたらたぶん好きになっちゃうと思うし。


ただ、この作品に漂う異様なエロさはなんだろうか。

過激なシーンがあるわけではないのに、相手がコンピュータであるというだけで変態度がうなぎ上りで、はっきり言ってこの映画を見て発情しない奴はいないのではないだろうか。

カップルで観たら確実に夜が盛り上がる作品でもあるってことで、100点満点である。