『ニンフォマニアック Vol.2』


相変わらず最高。

後編はほとんど『アンチクライスト』のポップバージョンって感じで、シャルロット・ゲンズブールさんの、ヘンタイウケを狙っているとしか思えないほど美しくないヌードを死ぬほど堪能できる。

ヘンタイ度はさらに倍!アホらしさも倍!で展開する地獄絵図だ。

いままで色情狂女の長々としたセックス体験話を、すこぶる熱心に聞いて、哲学的かつ宗教的視点で分析までしたオッサンが、実はそれほど真剣に話を聞いていなかった
のではないと言わんばかりのナゲヤリなラストも感動的。

こっちは2回も映画料金を払って、彼女の訴えを理解して共感までしたのに、肝心の物語中の登場人物の方がなにひとつ理解していないという観客への圧倒的侮辱。

これはもう監督であるラース・フォン・トリアーさんによる「観客責め」という名のSM行為であり、我々観客に「映画鑑賞そのものがセクシャルな体験なんだよ」と叩きこむために作ったとしか思えない。

人はセックスに縛られて生きている。
動物だから当然なんだけど、それを「淫乱」とか「神への冒涜」とか言って悪しきことにしてしまう社会に、色情狂のみなさんはどう立ち向かうのか!

そんなスペクタクルなんて、この作品ではまったく描かれないんだけどさ。
何て言うのかな、女性っていろいろ大変だよね、この男性社会で生きていくのはさ。みたいな。

そんな映画。

100億点満点。