『ニンフォマニアック Vol.1』

超絶傑作だ。
もう素晴らしすぎて、映画開始直後から感動と興奮で震えが止まらない圧倒的な作品。


色情狂の女性が自らの本能に忠実なセックス半生を語ることで、キレイごとに満ちた常識的思考と傲慢な人間社会をドン底に叩き落とすという、とんでもなく痛快な映画。


とにかく痛快!
ありえないほど痛快だ。
もう途中で爆笑が止まらなくなってしまうくらいに、すべてが理にかなっている。

セックスという動物的な行為に、なぜみんな「恋愛」などというファンタジーな要素を結びつけてんの?関係なくない?みたいなことを、面白おかしく理解させてくれる親切丁寧な展開に感動を隠せない。


そう。
つまり監督のラース・フォン・トリアーさんは丁寧すぎる、とってもいい人なのだ。

このひとの作品はいつもそうだが、皆が「うすうす勘付いてはいるけど気づかないフリをして生きてたほうがラクだし」といったことを、ものすごく丁寧に映像化してくださる(しかもすげー長尺で)から、みんな一斉に不快になったりするわけだが、俺なんかは楽しくてしかたがない。


もうぶっちゃけると、俺は色情狂だ!
つーか誰もがみんなそろって色情狂なのだ。


「私は違う」なんて天真爛漫に否定するような奴は無視することにする。


愛や恋などというファンタジーも、男の独占欲が作り上げた「結婚」という制度も、処女崇拝も、みーんな現実逃避にすぎないんだよみなさん!と声高々に宣言するこの作品は、なんとまさかの2部作なので、2時間観たけどまだ半分。

来週公開の『Vol.2』を観ていないのに、確信的推測で作品を語らせてもらっていますが、ほぼ間違いないでしょう。

この作品を観れば、幻想なんてものは吹き飛んで、残るのは裸の肉体のみ。

セックスは理屈じゃないのだ。

単なる生物的本能であり、圧倒的快楽であり、そしてこの行きづらい社会生活における精神安定剤でもあるんだよと。

1億点満点!