『エクスペンダブルズ2』
なんていうんだろ。
ハッキリ言って、こんな映画に俺は興味なんかないぜってスタンスで生きたいじゃん、人として。
「エクスペンダブルズ見てえ」
なんてこと、間違ってもクチに出しちゃダメだ。
あんなオッサン連中しか出演してない、バカ丸出しのビジュアルで、始終ドンパチしてるだけみたいな映画に反応してたら、俺自身のIQが著しく低いと思われてしまうではないか!
よし!決めた!
俺は『エクスペンダブルズ2』に関しては常に無関心を装うことにしよう。
周りにいる「エクスペンダブルズ見てえ」などと恥ずかしげもなく宣言するような奴らとは一線を置こうじゃないか。
俺はお前らとは違う。
この新時代の最前線で活躍する、大いなる知的生命体なのだ。
そして俺は連中に向かって涼しい顔で言ってやるんだ。
『エクスペンダブルズ』?
まだそんなものに反応してるのかよ、まったく少しはオトナになれよな、ははは。
しかし、我慢できたのはたった1日。
公開2日目にして、嬉々としてネットでチケット予約している俺がいた。
しかしとっっっっっっんでもない映画だねこれは!
マジで信じられないっつーか、こんなの映画じゃなくて、あのね、なんていうんだろ。
もうなんだかよくわかんない!
タランティーノの『キル・ビル』を観たときに感じた恍惚感の100倍!
『ジェイソンX』を観たときの脱力感の500倍!
『ドーン・オブ・ザ・デッド』を観たときの興奮の1000倍!
『宇宙戦争』を観たときの戦慄の1万倍!
そして前作『エクスペンダブルズ』を観たときの感動の1億倍!
わー!!!!って映画館で叫んじゃうほど凄い!
一応、ストーリーみたいのがあるんだけど、つーかいつもどおり何やってんのかはよくわかなんないけど、とにかく「映画」という表現における、いろんな大事なことを無視した作品なんだよコレ。
みんなそれぞれ大暴れしているだけなんだ!
1時間半ずっと大暴れしているだけ!
全員、それぞれ暴れたい人たちばっかりだから、当然誰も止める人がいないんだ!
とにかくひたすら大暴れして、やっともう破壊するモノと殺すべき敵がいなくなったから「あー、スッキリした」って映画が終わるというね。
レギュラーのメンバー5人だけで前作ではあんなに死人が出たのに、今回はこの5人に加えてチャック・ノリスとシュワとダイ・ハードがいるから、もうなんというか、どっちが悪者なのかわかんない感じ。
死体の山を目の前に、当のエクスペンダブルズのみなさんはキャッキャとオヤジギャグなんかを飛ばしたり、自虐ネタで笑いをとったり和気あいあいとしててね。
スタローンさんって本当に凄いと思う。
オッサン達のために一生懸命サービスしてくれているじゃん。
それはね、もちろん俺たち観客へのサービスでありながら、ロートルのアクション俳優たちへの気遣いでもあるんだよ。
今さらチャック・ノリスなんか誰も知らないし、観たいとも思わないじゃんか。
でもね、この映画ではちゃんとチャック・ノリスが「地獄のヒーロー」だってことを思い出させてくれるんだよね。
とにかく、メンバーの見せ場のことしか考えてない脚本が素晴らしい。
メッセージなんかマジでいらないと思う。
映画はこうあるべき。
スゲエッ!!!!!!
これだけで十分!