『ラスト・ブラッド』
日本刀を振り回して大立ち回りするクールな少女というアクション映像が、もはやなんの新鮮味もないシロモノなのは言うまでもなく、今さらそんなの売りにしてるアクション映画なんか観るとガックリきちゃう。
つまるところ、登場人物がスタイリッシュに日本刀を振り回すような映画は単純に「時代遅れ」だってことだ。
だからと言って、そんな映画観たくないってワケじゃないよ。
セーラー服に身をつつんだチョン・ジヒョン嬢が、日本刀でヴァンパイア(つーかほとんどゾンビ)をバッタバッタとなぎ倒す『ラスト・ブラッド』は、やってることは既視感かと思うくらいよく見るアクションだけど、キッチリ萌える。
それは言うまでもなく、我らがチョン・ジヒョン嬢の魅力のタマモノなんだけど。
『猟奇的な彼女』や『僕の彼女を紹介します』の、あのチャーミングなジヒョン嬢が、ゾンビども(本当はヴァンパイアっていうか「オニ」なんだけど、なんか存在意味がよくわかんないからあえてゾンビと書く)の返り血を全身で浴びながら暴れまわる。
残酷描写がなかなか素晴らしく、ジヒョン嬢の一閃で、ゾンビの首や手足がピョンピョン飛ぶし、縦に真っ二つになるなんて気の利いた死に方をする奴もいる。
いつも思うが、美女と血ってのは本当に相性がいい。
あと、美女と死体、美女と内臓、美女とウンコ。
ほかにも、美女とお墓、美女と地下鉄、美女とプラズマテレビ、美女とサーモン、美女と焼イモ、美女となんかあの、ドラクエで洞窟から呪文で一気に外に出ようと思ったら、間違ってルーラ唱えちゃって天井に頭ぶつけちゃった時のゴンって音、などなど。
相性がいいものがたくさんあるなぁ。
つーか、よく考えたら「美女」であるだけで十分なので、そのほかの要素なんてなんでもよかった。
そしてまた、ゾンビ軍団のラスボスが、あの小雪なところも凄い。
不敵かつ上品な笑みでウフフなんて言いながらも、うす汚いゾンビ軍団を束ねている美女である。
そんな小雪とジヒョン嬢のラストバトルもこれまたセクシー。
つまりこの映画、間違いなくセクシーでもっている。
ジヒョン嬢のセクシーVS小雪姉さんのセクシー。
勝つのはどっちのセクシーだ?
うん。どっちでもいいよ。
俺はどっちでもオッケー!
思わずそんな気持ちになってしまい、ヴァンパイアがどーたらなんて話は最後にはどーでもよくなってしまう傑作だった。
ちなみに、この作品はプロダクションI.Gのアニメーション映画『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の実写化だ。
オリジナルのほうが大好きで何度も観ている俺が納得するほど、アニメ版の雰囲気をうまく表現していたと思う。
とかいいながらも、監督はまさかのフランス人!