『悪の教典』


今世紀最高にロマンチックでセクシーな映画。


三池崇史監督は、園子温が回りくどく説明しながらやるようなことを、ドストレートに容赦なく悪びれもせずにやってのける。


宗教や哲学や文学を持ち出すヒマもなく、野蛮なる本能のまま暴力を描くとこが潔くていい。


この映画は、愛や夢や希望などショットガンの前では無意味だという素晴らしいメッセージを贈ってくれる。


こういった思考は、現実を見据えているし、なによりも情緒がある。


邪魔者を容赦なく始末しまくるハスミンは、とても動物的で生きることに真剣だ。


教師として社会に溶け込みつつ、サイコパスとしての本能的な自分も抑制することなく生きている。


まさに本能で生きているという感じで、ものすごく好感もてるよね。


で、普通の常識的な人間よりも、ちゃんとユーモアセンスなんかもあるから凄い。


クライマックスでは、惨劇の真っ最中なのにものすごいギャグをバンバン連発する。


このへんの笑いの放り込み方は、さすが三池て感じの強引さでこれまた痛快。


すべてのセリフが圧倒的にロマンチックなのはいつもの三池らしさだけど、本作はそれがズバ抜けていた。


さらに登場する女子高生たちが例外なくセクシーすぎるところもまた素晴らしい。


ブスがひとりも出てこない。
なんという安心感。


三池監督は、確信犯的に美女とイケメンを血と暴力で汚していく。


これぞ小説では出せない映画ならではの醍醐味だよね。


俺は興奮で身もだえしながらこう思う。


「よし!やれ!もっと血を!」