『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』

 なにが驚いたってあんた!バットマンですよバットマン!鋼鉄のアーマーを身にまとって、コウモリというよりはもはやイエーガーじゃねーのかってくらい重装備しててゴツすぎ。なぜなら超人であるスーパーマンさんとバトルするには、守備力アップさせないと話にならないからです!ねー!俺なんかは感動しました。だって、このひと(バットさん)、本気でスーパーさんとやり合う気なんだってわかったから。

 だってバットさんなんかは言うまでもなく、ブルース・ウェインさんという大富豪が夜な夜なコスチュームをまとい、悪党どもを成敗する闇の仕置き人。金にモノを言わせた最先端テクノロジーの便利グッズ、ならびに便利乗り物なんかを駆使して大暴れするオッサン(つまり人間)なのですよ。で、対するスーパーさんはというと、宇宙人でサイヤ人みたいに強い人。無敵。万能。神。ふむ。まともなバトルになるんだろうか?などと誰もが思います。

かつて悟空の実兄であるラディッツさんは地球に降り立って最初に出会った人間を見てこう言いました。

「戦闘力たったの5か、、、ゴミめ」

当時はあのピッコロさんですら戦闘力322です(なんか重たい服着てた)
じゃあバットさんはナンボ?戦闘力。考えたくもなかった。この映画を観るまでは。

 凄いっすバットさん、マジで。頭脳と姑息な罠でスーパーさんをボッコボッコにします!それ見たことか!霊長類ナメんな!地球ナメんな!純粋で汚れを知らないスーパーさんにとって、闇を抱えたバットさんは対極のヒーローなので、同じ正義の味方なのにとにかく分かり合えない。そこ!そこの描き方が実にウマい!見事!最高!そしてサブタイトルである「ジャスティスの誕生」の意味が明らかに!誕生します!ジャスティスが!と同時に「悪」もしっかり誕生しちゃうわけですが。皮肉なこってす。
 とにかく、世界的にもっとも有名な二大ヒーローによる禁断の手合わせを描いたアメコミ映画史上最高の大事件。これを見逃したら映画ファン失格でしょう!
文句ナシの満点!
フリーザさまの戦闘力でいうと、53万点満点です!

『セーラー服と機関銃ー卒業ー』

 「さよならは別れの言葉じゃなくてー」などと例の歌をアカペラで突如歌い出す橋本環奈の姿を見て、すべての観客が例外なく「は?」と思うであろう奇跡の傑作『セーラー服と機関銃ー卒業ー』。

 結論から言うと、この作品を観ずしてアイドル映画は語れない。アイドル映画の中のアイドル映画。アイドル映画の最高峰であり完成型。「天使すぎるアイドル」と崇められた橋本環奈の魅力というかパワー、圧倒的存在感、スゴ味みたいなものがズンズンくる作品となっております。

 ぶっちゃけ、橋本環奈さん初主演ということでもう演技なんかも超ヘタクソ! 自然体の演技を目指したのか、ムダ話やアドリブっぽい流れも作ってはいますが、いかんせん対応力が未熟なので自然に見せようとすればするほど不自然になるというマイナス効果を生んでおりました。がしかし、この不自然さが逆に橋本環奈の素の暗黒面みたいなものを漂わせる結果になっており、所々で「あれ?カンナちゃんってヤンキーぽくね?」みたいな瞬間が垣間見えるのが恐ろしい。それがまたヤクザの組長である説得力にも繋がっており、姿は天使な女子高生なのにタダ者ではないオーラがしっかりと出ておりました。

 脇役がとんでもなく豪華なので、カンナちゃん不在のシーンはことごとく迫力満点。しっかりとヤクザ映画しております。しかし「殺るか殺られるか!」という抗争劇でありながらカンナちゃんが登場すると途端にアイドル映画にチェンジ。ヤクザ→アイドル→ヤクザ→アイドル→アイドル→ヤクザといった具合で、血なまぐささと可愛らしさが交互に入れ替わる様子は、まるで観客の頭の中で天使と悪魔がささやき合っているような無駄すぎる葛藤を生み出すこと間違い無し。
とにかく橋本環奈という存在の凄さが、百戦錬磨のベテラン脇役達にもひけを取らないという恐ろしい現実を突きつけられるという意味で、今後の日本映画の歴史を揺るがす大注目作であることは間違いないのです!

『ヘイトフル・エイト』


 クエンティン・タランティーノ監督の8本目の監督作品であり、当然のようにこの作品が歴代ナンバーワン。最高傑作となっております。
そもそもなぜ俺がタランティーノ作品が大好きなのかというところから説明しなくてはなりません。理由はただひとつ。かゆいところに手が届くから。説明終わり。

つまりこの作品は、うんざりするほど乾燥肌で冬場なんか寝る前に全身かゆくて気が狂いそうになっている俺に、優しく保湿成分入りのボディクリームを塗ってくれるような映画と言えばわかりやすいのかわかりにくいのかすらよくわからない。

例によってストーリーなんかは説明する気になれないんですが、ひとことで言うと西部劇風ミステリーというかシチュエーションスリラーというか、要は「誰が生き残るか?」という話です。逆に言うと「誰が死ぬのか?」となりますが、こういった緊迫した状況の演出が天才的に巧いのがこの監督。
過去の作品においてもそうですが、タランティーノ映画の登場人物だちは死ぬ直前までほぼ100%バカ話をのたまっており、その会話がくだらなければくだらないほど、後に訪れる「死」が陰惨になるという究極のショック描写を多用しております。

今回の作品も、巨匠エンニオ・モリコーネさんの地獄みたいな楽曲をバックに、上映時間まさかの185分(3時間!)のうちの2時間くらいはムダ話。ラスト1時間でやっとこ物語が動き出すという冗談みたいな作風となっており、劇中のサミュエル・L・ジャクソンさんの雄叫びと共に、その間映画館の狭い席にて身じろぎせず鑑賞中の観客たちの膝やら腰やらも悲鳴をあげるという4DXもびっくりの臨場感。

何が言いたいのかというと、そんな長丁場もあっというまと思えるほど、この映画は天才的に面白いのです。ホント、信じられないくらいに面白い。予測を裏切る(というか予測をさせる気がまるでない後付け)展開が大胆すぎてたまにウンコが漏れそうになってしまうので、鑑賞前の大便もしくはオムツ着用は必須。

「かゆいところに手が届く」。まさに、俺が見たかったモノが想像を超える形でスクリーンに映し出される快感を体験できるという意味なわけで、こんなことができるのはタランティーノ監督くらいでしょうねマジで。間違いなく俺の人生のオールタイムベスト級作品となりました。必見です!

文句ナシの100億点満点!

『アントマン』

小学生の頃、親戚のお兄ちゃんちに遊びに行ったんだけど、そこには近所の本屋さんなんかでは見た事もないような分厚い「怪獣大百科」があって、当時の俺の心を掴んで放さないウルトラセブンに出てくる怪獣やら宇宙人やらの情報だけでなく、シリーズに登場するすべての怪獣やウルトラ兄弟に関する情報が網羅されていた。
お兄ちゃんいわく「よう兄弟、ウルトラセブンの身長は実に40メートルはあるが、場合によってはミクロのサイズまで小さくなることもできるんだぜ、これ豆な」「へー、兄ちゃんはさすがもの知りだなあ。でもそんなに小さくなる意味なんかあるの?」「あたり前だろ。小さくなれるってことは、大きくなることよりもずっと便利なんだぜ」。
ほう。小さいことのメリットってなんだろう? そんなことを考えながら、帰りのロマンスカーの中で、お母さんがむいてくれたミカンを口いっぱいに頬張りながら窓の外の景色を眺めていた。あ、言い忘れたけど当時は小田原に住んでいたからロマンスカーに乗る機会はけっこうあって、お父さんが俺のために決まって先頭の展望席を取ってくれていたこと、前にも話したっけ? まあいいや。

でもお父さんには悪いけどその日ばかりは景色を楽しんでいるヒマはない。だって俺はミクロのウルトラセブンのことで頭がいっぱいだったから。
小さいと大変だろうな、モノを持ち運びにくいし、人間に踏んずけられたりするかもしれない。いやまてよ?小さいってことは、このミカン1個で腹一杯食べられるじゃないか。しかも誰にも気付かれずにいろんな場所に忍び込める。そんなこと考えていたらワクワクしてきて、小さいヒーローも悪くないな。諜報的な意味では最強じゃないか!なんてさ。

つまり何が言いたいのかというと、あれから30年以上経っているにもかかわらず、俺は小さいヒーローへの憧れというか、ワクワク感をいまだに持ち続けているんだよという話。
アントマン』は1,5センチのヒーローで、セブンのミクロには及ばないが、強力な羽アリに乗って飛行移動したり、敵のコンピューターに忍び込んで精密機械を破壊したりして地球を守るんだ。
アベンジャーズ基地に潜入したときは、さすがにすぐに見つかってしまったが、あのファルコンを出し抜いたのは凄い。ファルコンのやつ「キャプテンには内緒だ」なんて部下に言っていたくらいだから相当バツが悪かったんだろうね。
しかもアントマンは、ミニサイズと通常の人間サイズ、一瞬でサイズ変更できるので戦い方も奇抜で刺激的なんだ。
見かけはチビだけど最高に頼りになる奴、そんなアントマンがもしアベンジャーズの仲間入りしたらと思うと、俺のワクワクは興奮度マックス。
そんな日が未来にやってくるなら、その日まではぜったいに安全運転しなくちゃ。塩分や糖分は控えて、十分な睡眠と程よい運動、帰宅後のうがい・手洗いもしっかりするような毎日を心がけて、ぜったいに、何がなんでも死なないようにするんだ。
最強のアベンジャーズと出会うために。

100点満点。

2016年ローデッドウエポン最新号44号は座談会音声も一緒に楽しめるような楽しめないような!

どわ。
2016年のローデッドは、創刊13年目にしてついに進化しました! ランバ・ラル風に言うならば「ザクとは違うのだよ、ザクとは」などと言いながらハモンのケツをなでまわして股間を多少膨らませつつ、ヒートロッドを自らのチンチンに見立てて振り回す感じと言えば判りやすいであろう。

つまり、いろんな企画やったんだけど、誌面にじぇんじぇん入りきらないからもう完全版をYouTubeで公開してお茶を濁そうといった話。長年にわたって行ってきた、ロウデッドメンバーたちによる生のデタラメトークをみなさんに大公開しちゃうのだ(録音だが)

誌面ではいろいろ端折っていた部分なんかも聞けちゃう。よって、本誌には載らなかったネタが聞けたり、文字だったら面白かった部分がぜんぜん面白くなかったりと、メリットもデメリットもあるわけだがそんなものはお構い無しでアップしましたんで、興味有る方はぜひとも聞いて、コメント欄に批判、暴言、悪態以外の言葉を残していただきたいと思います。

YouTube】ロウデッドなちゃんねる
https://www.youtube.com/channel/UCEtePbPTGl7od2dYitwq8fQ

てなわけで、配布開始された本誌共々よろしくお願いします!

『ブリッジ・オブ・スパイ』

でっぷりと太ったトム・ハンクスさんは魅力的です。マジで。前々からトム・ハンクスさん大好きだけど、ここに来て貫禄が出たというか、威厳があるというか、ただ単にオッサン化してメタボリックなだけなのかもしれないけど、とにかく二重アゴでトドみたいな風貌になったトム・ハンクスさん素敵。で、この『ブリッジ・オブ・スパイ』なる映画、監督がスティーブン・ズピルバーグさんだからもう間違いないです。面白すぎる。弁護士のハンクスさんが、敵国のスパイを弁護するんですが、当然政府は、形だけの弁護のつもりでいたのに、ハンクスさんが真面目すぎたのが運の尽き。本意気の弁護をカマすから政府も国民も戸惑うわ、イラつくわでいろいろと厄介なことになります。でも、ハンクスさんはそのトドみたいな風貌もさることながら、神経までもどっぷり図太くて、まったくひるまずに弁護やら交渉やらに一生懸命といった具合。とにかくハンクスさんの厄介な存在っぷりが痛快なんです。政府の偉い方々が、あまりにも頑固で真面目なハンクスさんにうんざりするのが最高に笑える。冷戦時代の緊張感のある環境なのに、このへんのユーモア溢れる演出が見事で、スピルバーグさん本当に巧いなと。
実話が基になっているようなんですが、こんなユニークなドタバタが水面下で行われていたと思うと滑稽だと思わずにいられない。なのに、東西ドイツを分断する壁が設置されていくシークエンスなんかはゾッとするほど恐ろしくて狂気に満ちています。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のユーモアと『プライベート・ライアン』や『ミュンヘン』の生々しさが融合したようなスピルバーグの本気を垣間みることができる最高の一本。
必見なので、当然100点満点!

『ザ・ウォーク』


 高所恐怖症ってのは、高所恐怖症じゃない人が思う「高所」の概念なんかを軽く覆すほど「その程度で?」って高さでも平気で恐怖を感じるもので、その高さ実に30センチ。自宅リビングにあるテーブルに乗っかるだけで足がすくむわけで、お前ら高所恐怖症を甘く見るんじゃねーよなんて意味も無くドヤ顔しながら意を決して飛び降りる(テーブルから)。
もちろん、子供の頃は平気でジャングルジムやら上り棒やらで遊んでいたわけだが、それはもちろんまだ「恐怖」を知らなかったからなのもあるし、そもそも手すりがあると結構大丈夫。

そんな病的なまでに高所恐怖症な俺が、まあたかが映画だし。なんて軽い気持ちで観たら、あまりの恐怖で2、3度本気で死んでしまった映画がコレ。『ザ・ウォーク』。歩くわけです。綱を。もう綱渡りってだけで地獄の所行だけど、この作品の主人公は、あのワールドトレードセンターのツインタワー屋上にワイヤーを張って、そこを命綱無しで渡る。これが本当に凄い。話を聞くだけで凄いことは十分わかるが、映像にして見ると、もう心臓が止まります。
俺なんか間違って3Dで鑑賞しちゃったもんだから、上映中何度意識が遠くなったことか。一瞬、丹波哲郎の「大霊界」を観にきたのかと思ったくらい、天上の世界に片足突っ込んでしまいました。

劇中、ビルの屋上から下を見下ろすアングルがやたら出てくるんだけど、もうね、吸い込まれるんです俺、あーゆうとこにいると。落ちる気がなくても、恐怖のあまり「ここにいるよりはマシ」とか思って体が勝手に落ちようとする。映画なのにそんな状態なので、常に生と死の境を彷徨いながら鑑賞していました。ある意味、主人公よりもずっと怖い思いをしているという。
で、この作品は綱渡りするまでの物語もめちゃくちゃ楽しい。大道芸人が綱渡りに魅せられるまでの半生が、テンポ良くポップな演出でラブストーリーなんかも交えつつ展開する。まさかクライマックスで瀕死にさせられるとは思えないほど軽快。しかも実話を基にした作品ってことで、つまり実際にあのビルで綱渡りした奴がいた。すげえ。

てなわけで、高所恐怖症の人には3D鑑賞を推奨します。死ねる。
1億点満点!